池上彰スペシャル宗教がわかればニュースのナゾが解ける２

2001年9月11日にアメリカで発生した同時多発テロ事件は、私たちに大きなショックを与えました。こんなひどいことを実行できる人間がいるのか、という驚きと、何の罪もない人々が巻き添えにされた悲劇に言葉がありませんでした。

しかも犯行グループはイスラム原理主義過激派とみられ、この人たちが宗教の信者であったことは、私たちに、宗教とはいったい何だろうという思いを抱かせました。

また、この事件をきっかけに、イスラム教が注目を浴びるようになりました。日本にはイスラム教徒が少ないため、どんな宗教なのか分からないひとが多いことと思います。イスラム教、そしてイスラム世界については疑問だらけ、ということが大変多いのではないでしょうか。

イスラム教を理解するには、実はユダヤ教、キリスト教の知識も必要になります。さらに、こうした宗教について知るようになると、日本の神道や仏教についても知らないことが多いなという思いを持つ人もでてくるでしょう。

日本人の宗教観は、外国から見ると奇妙に映ります。正月には神社かお寺に初詣に行き、七五三の行事は神社へ。結婚式は教会で挙げ、葬式は仏教のお寺でという人は大変多いことと思います。

大人も子どももわかるイスラム世界の「大疑問」 (講談社プラスアルファ新書)

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